日本酒の造りには、きれいな水が欠かせません。というのも、日本酒の成分の約80%は水だからです。今回は、水(主に「仕込み水」)について簡単にお伝えいたします。
【目次】
①水に含まれる成分について
②仕込み水について
③最後に
①水に含まれる成分について
水に含まれる成分のうち、醸造(じょうぞう。酒造りのことです。)に有用とされるものは、
・カルシウム
・リン
・カリウム
などのミネラル分です。
一方、鉄分は、酒の着色や劣化を促進するため、少ないことが望ましいとされます。
名水があるところには清酒の蔵元があることが多く、清酒の二大産地である灘と伏見には、名水百選に指定されている有名な水があります。
(写真:宮水)
②仕込み水について
酒の仕込み水で、最も有名なものの一つが、「灘の宮水(みやみず)」でしょう。
江戸時代、今の兵庫県西宮市と神戸市に蔵を持っていた酒蔵(櫻政宗)が、西宮の蔵の酒が常に優れていたことを不思議に思い、その原因を調べたところ、その原因が水であることを突き止めました。以降、灘の酒造家はこぞって西宮の水を使うようになり、酒質が向上しました。
なお、「宮水」とは「西宮の水」の略です。
③最後に
日本酒のあのフルーティな香りも、「米」「米こうじ」「水」の3要素から基本的には生まれています。まさに奇跡ですね!
吟醸酒(ぎんじょうしゅ。お米を4割以上削って丁寧に造るお酒のこと。)が流行り出した平成の初め頃は、まさに「水みたい」なお酒が主流で、多くの酒造会社は「飲みやすさ」を競っていたように思いますが、最近では、「旨み」を前面に出したお酒や、その地方で開発された酵母の特徴を生かしたお酒など、多種多様なお酒が開発されています。また、ラベルもおしゃれなものも増えて、目でも楽しめるようになりました。
このように、目・鼻・口で楽しめる日本酒ですが、製造者や原料米などのほか、どの場所で仕込まれていて、その蔵の水の成分まで思いをはせてみると、更においしく感じるかもしれません。
そのときは、やわらぎ水(日本酒と交互に飲むお水)もお忘れなく!
それでは、今夜もおいしい日本酒で、日本人ライフを満喫しましょう。(^o^)/▢
最後までお読みいただきありがとうございました。